国境なき技師団設立趣旨書

文書作成日:平成17年12月13日

NPO仮称:国境なき技師団(Engineers without Borders,Japan)
委員会:特定非営利活動法人 国境なき技師団 設立準備会
代表:小長井 一男

1、設立の理念

国外ではスマトラ沖地震による津波やイラン南東部地震、国内では新潟県中越地震や福岡県西方沖地震などの地震災害が相次いで発生している。さらに、世界各地で暴風雨や河川の氾濫などによる被害が多発し、多くの人命が失われ、被災地域の人々を大きな困難に陥し入れている。

土木学会や建築学会などをはじめとする我国の学協会は、国内外の自然災害に対して調査団を現地に派遣し、被害状況を調査・分析して、災害対策のための提言をまとめるなどの社会貢献を行って来た。これらの学協会の活動は、長期的観点から自然災害の軽減に多いに寄与して来たものと考えられる。

一方で、地震などによって被害を受けた建物や住宅および道路、鉄道、ライフラインシステムなど社会基盤施設の診断や補修、さらには被災地域の緊急復旧と早期の復興においても、土木・建築などの工学分野の専門家による災害発生直後の支援の必要性は高いものと考えられる。 そのためには、従来のような学協会ごとの支援ばかりでなく、他の学術団体、NPO等と連携を生かした機能的な支援活動を展開する必要があり、新たなNPOの活動が期待されていると考えられる。

我国では過去の自然災害の教訓から様々な防災教育のための教材が作成され、これらが実際の教育現場で使われて来ているが、開発途上国では十分な教材もなく防災教育がほとんど行われていないのが現状である。自然災害に対する知識と正しい理解が不足しているため不要な恐怖感の増大や災害後の不安解消の支障となっていると考えられる。自然災害の予防のための防災教育についても、土木・建築等工学分野の専門家が貢献し得る所は大きいと考えられる。

自然災害直後に被災現地に派遣された我国の医療団や各種のNPOが傷ついた人々の治療や地域の再建と復興のために多大な貢献を行って来たことは、よく知られており世界の人々の評価を受けて来ている。

土木技術者や建築技術者をはじめとする技術者集団が自然災害で被害を受けた地域と人々を直接的に支援することおよび国内外の自然災害を軽減する活動を展開することを目標としてNPO組織を設立する。

2、活動の内容

(1)自然災害による被災地域の復旧と復興のための支援と提言
自然災害によって被害を受けた住宅、建物および橋梁、港湾施設、河川堤防などの社会基盤施設の診断を行い、継続使用の可否を判定し、被災構造物の修復方法を提案する。さらに被災地の復旧と復興に関して技術者集団の観点より行政機関や地域住民へ提言を行う。


(2)自然災害軽減化技術の普及
住宅、建物、各種社会基盤施設と産業施設、ライフライン施設の健全度診断法と補強方法など自然災害による被害を軽減化するための諸技術を講習会の開催や図書出版等により広く普及し、社会の防災性向上に貢献する。


(3)防災教育の実践
防災教育のための教材を作成する。既存の防災教育教材と併せて各国語に翻訳し、継続的な防災教育を行う。また、防災教育のための指導者育成のための活動を展開する。


(4)国際的防災研究の推進
地震,風水害等の自然災害は多くの国

3、組織

土木学会および日本建築学会等の既存の学協会の賛同と支援を得て本NPOを設立する。活動の領域により必要に応じて将来的には他の学協会の支援を受ける。

外務省、JICAおよび国土交通省の関連部局との連携を密にし、必要に応じて支援を受ける。将来的には「技術者集団」として独自に活動を展開することを目標とするが、当面は既存のNPOとの連携と協力のもとに活動を行う。

自然災害の被災地派遣要員の確保および財政的基盤の確立のため、関連する公民および民間機関等の支援を得る。

organization